スクワットにおける足部の安定性 その1


みなさん、スクワットの際の足はどのようにされてますか?
今回は、現時点で私が考えているスクワットにおける足部について、何回かに分けてまとめたいと思います。
まずは足部の構造と機能とは何なのかを確認し、その上でどうあるべきなのかについての考えに触れていきます。

スクワットにおける足部の安定性 その2
スクワットにおける足部の安定性 その3
スクワットにおける足部の安定性 その4

足部の機能解剖

足部は

  • 足根骨(7個)
  • 中足骨(5個)
  • 指節骨(14個)

の計26個の骨で構成されています。

上記7つの足根骨の中でも、距骨は足関節と足部における重要な関節である距腿関節、距骨下関節、横足根関節の3関節に力学的に関わる大切な骨です。
その中でも、足部の安定性に貢献する重要な関節は上記の距骨が関与する

  • 距骨下関節
  • 横足根関節

の2つです。

距骨下関節

距骨下関節は踵骨と距骨の前・中・後関節面により構成されています。
距骨下関節での運動は

  • 回内:外返しと外転
  • 回外:内返しと内転

の2つで、非荷重位では固定された距骨に対して踵骨が動き、荷重位では体重負荷で固定された踵骨の上で距骨が動きます。

簡潔に言うと距骨下関節の運動は固定された踵骨に対する距骨の回転運動といえます。

横足根関節

横足根関節は

  • 距舟関節
  • 踵立方関節

の2つからなり、ショパール関節としても知られています。

横足根関節での運動は距骨下関節と同様

  • 回内
  • 回外

の2つで、距骨下関節と横足根関節の両方での回転の組み合わせが、足部全体の回内と回外を担っています。

この距骨下関節と横足根関節の回転運動により、我々は急な上り坂や、でこぼこした悪路でも安定した立位をとることができます。

足部のアーチ

足部のアーチは

  • 内側縦アーチ
  • 外側縦アーチ
  • 横アーチ

の3つで構成されています。

内側縦アーチは踵骨、距骨、舟状骨、楔状骨、内側3つの中足骨で構成される足部内側の凹形をした部分で一般的には「土踏まず」として知られています。
横アーチは一般の方にはあまり知られていませんが、楔舟関節、立方舟関節、楔間関節と楔立方関節の複合体で構成され、中足部の安定性に貢献しています。

上記3つのアーチは体重負荷下で、わずかに下降し、荷重と衝撃の吸収の役割を担っています。
これらのアーチは

  1. 骨の形状とその組み合わせ
  2. 結合組織の弾性と張力
  3. 自動的な筋の力

によって支えられているのですが、上記いずれかの異常によって「扁平足」や「開帳足」になります。

上記の画像のDはAの「正常なアーチ」に比べて、内側縦アーチが落ち込み「扁平足」の足形です。
学生の頃にプールから上がった後に、自分や友人の足形を比べたのを覚えています。
みなさんもやられましたか?

この扁平足は

  • 堅い扁平足:非荷重位でも高さの低下したアーチ
  • 柔軟な扁平足:非荷重位では正常であるが、体重負荷により低下する

堅い扁平足は足根骨癒合による骨、関節の奇形や痙性麻痺の結果起こり、柔軟な扁平足は骨構造、筋、結合組織の異常によるもので頻繁にみられます。
扁平足に関しては舟状骨落下検査やアーチ角を測定することで程度も含めた客観的な評価ができますが、視診でも扁平足かどうかの判断は十分できるかと思います。

Cの「開帳足」は横アーチの低下したもので、前足部の底部中央にタコやマメなどの胼胝を形成している形成していることが多く、選手の訴えとしては足底や足の甲の中央の痛みなどが多いように感じます。

堅い扁平足は先天的な問題がほとんどで、手術などの観血的治療が適応となり、柔軟な扁平足は足底版や機能訓練などが適応となります。

ウィンドラス機構

足の指を反らせることで、付着している足底腱膜への張力が働き内側縦アーチの緊張を増加させ、前足部と中足部を堅くし安定性を高めます。


扁平足の場合は、このウィンドラス機構の有用性が制限され前足部と中足部は不安定になります。

リハビリテーションにおいては、スクワットの際に足の指で床を掴むように指示されている方もいるかと思います。
私はストレングストレーニングとしてのスクワットの際には、ウィンドラス機構を働かせることで足部の安定性を高めるために足の指を軽く背屈させ、母指球、小指球、踵の3点での荷重を心がけるよう指示しています。
上記3点の荷重を”Tripod(トライポッド)”と呼びますが、その中でもどこにより荷重をするべきかは次回以降の記事で触れていきたいと思います。

まとめ

  • 足部は足根骨、中足骨、指節骨は計26個の骨で構成されていまる。
  • 足部の安定性に重要な関節は距骨下関節と横足根関節の2つで、荷重位では固定された踵骨の上で連動して回転する。
  • 足部のアーチは内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つあり、足部の安定性と荷重による衝撃を吸収している。
  • ウィンドラス機構を働かせることで足部の安定性を高めることができるためスクワットの際には足の指はあまり意識しないか少し反らせる。

スクワットにおける足部の安定性 その2

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です