緊急時行動計画書はありますか? その1


皆さんは東京マラソンに参加されたことはありますか?
私はフルマラソンは数年前にホノルルマラソンに参加した経験があるのですが、東京マラソンはまだありません。
機会があればいつか挑戦してみたいと考えています。

2019年の東京マラソンは3月3日に開催されるようですね。
参加される皆さんの検討を祈ります!

さて、この東京マラソンですが2007年2月18日に第1回大会が初めて開催され、今年で13回目を迎えます。
参加者およそ3万6千人とも言われる東京マラソン、日本の首都で行われることもあり注目度の高い素晴らしいイベントの1つといえます。
しかし、その華々しいイベントの陰で、過去12回の大会中、合計11人ものランナーがマラソン中に心停止に陥っているそうです。
平均すると1大会あたり約1人のランナーが心停止に陥る確率となります。
そして、さらに驚くのは、何とその11人全員が無事に救命されているとのことです。

スポーツ中や直後に起きる心臓突然死のほとんどは、心室細動と呼ばれる致死性不整脈の発生によるもので、AEDによる電気ショックで救命率が高まります。
救命率は電気ショックが1分遅れるごとに7~10%ずつ低下するため、一般的には5分以内の電気ショックが勧められています。

日本循環器学会、日本AED財団は

とくにスポーツ現場においてはAEDによる救命率をさらに高められる環境にあるため、できれば倒れてから3分以内の電気ショックを目指したい。それにはAEDを2分以内に取り寄せられる体制を構築する必要がある。

としています。

東京マラソンでも国士舘大学などが、コース沿道にAEDを持ったチーム、AEDを装備し自転車でコースを巡回するチームを編成し、万全の救護体制をとられているそうです。
日本光電さんも東京マラソンンのサポーティングパートナーとして、150台のAED貸出と応援サポートに取り組まれています。

救命率100%は上記の大学、企業、ボランティアの方々の協力で成し得ているのですね。

愛知万博では2分以内にAEDが届けられよう300m間隔で100台のAEDを設置し、5名の心停止のうち4名を救命できたそうです。

前述の通り、スポーツ現場においてはAEDを2分以内に届けることが重要になりますが、その方法としては

  • 救助者が取りに行く
  • 連絡をして届けてもらう

の2つあります。

もちろん連絡をして届けてもらう方が片道で済みますし、その分時間も半分になります。
これは大会などでは可能かと思います。
もし、選手が心停止に陥った場合、大会本部に携帯電話で連絡をしてAEDを持ってきてもらうか、予めサインを決めておいて合図を送るなどで可能となります。
とは言え、屋外の競技でフィールドが多数ある環境では、2分以内で届けられない場合もあるのが現状かと思います。
さらに、大会ではなく練習となると現場からAEDを取りに行くにはさらに時間がかかりそうですね。
実際、私が携わっているアメフトやサッカーのチームでは残念ながら2分以上かかる環境になっています。
これらの環境改善も我々トレーナーの大切な役割ですね。

屋内競技では、体育館に必ず設置されているので大会、練習限らず2分以内に届けることは十分可能ですし、救助者が直接取りに行った方が早い場合が多そうですね。

皆さんが活動されている環境はAEDが2分以内に現場に届く環境になっていますか?
私も再度、自分の足で走って確かめてみたいと思います。

大切なことはAEDだけではなく、緊急時に適切な対応をとれるように事前に体制を整えておくことですね。
次回はNATAのポジションステートメントについてまとめながら緊急時計画書にふれていきたいと思います。

まとめ

  • 東京マラソンにおける心停止に対する救命率は100%である。
  • 心停止に対する救命率は電気ショックが1分遅れるごとに7~10%ずつ低下し、一般的には5分以内の電気ショックが勧められている。
  • とくにスポーツ現場においてはAEDによる救命率をさらに高められる環境にあるため、できれば倒れてから3分以内の電気ショックを目指したい。
  • 3分以内の電気ショックのためには、AEDを2分以内に現場に届けられる体制が必要である。

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