ANCHORブログ|独立不羈

方向転換に大切な「5つのF」 その2

前回は方向転換に大切な「5つのF」の1つ目である方向転換動作の基本的局面についてまとめました。

方向転換に大切な「5つのF」 その1

今回は2つ目である足部についてまとめていきます。

Feet:足部

どんな方向や角度であれ、方向転換を行う際の足部の役割は2つに分けられます。

【図1】

図1ではボールを持った選手が左手側に方向を変えようとしています。
その際の右足がアウトサイドフット、左足がインサイドフットとなります。

それでは、それぞれの足の役割を確認してみましょう。

アウトサイドフット(接地足)

新たな進行方向に対して外側の足をアウトサイドフットといいます。
アウトサイドフットの役割は、

の2つです。

上記の役割を効果的にするためには

ことが重要になります。
それぞれを確認していきましょう。

新たな進行に対して足部を垂直に接地する

次に進む方向に対して足部を垂直に接地することは、最適な減速と新たな方向へと身体を効果的に押し出す(プッシュオフ)ことを可能にします。
足部が垂直に接地していない場合、最適なプッシュオフができず方向転換が遅くなります。
また、切り返しが膨らんでしまい、その結果移動距離が長くなってしまいます。

図2

図2の上の図ではアウトサイドフットは新たな進行方向に対して足部が垂直に接地し、インサイドフットが新たな進行方向を向いています。
それに対して、下の図ではアウトサイドフットが垂直に接地しておらず、その結果インサイドフットが新たな方向に向けられていません。
その結果、切り返しが膨らんでしまいます。(rounded agility)
最適な減速、適切なプッシュオフ、最短距離での移動を可能にするためには足部は新たな進行方向に対して垂直に接地させるのが効果的です。

とは言え、スピードが速い場合は大きな力と身体のコントロールが必要になるため、非常に困難になります。
そのため、方向転換動作を改善する場合、ムーブメントスキルだけではなく最大筋力の向上も合わせて行う必要があります。

There is no one-size-fits-allですね!

足幅を広く保ち、適切な位置に設置する

足幅を広く保つことで脛の角度(シンアングル)を倒し、適切な方向に力を伝えることが可能となります。

重力に打ち勝つ抗重力を生み出しながら、できる限り水平成分(推進力)を大きくし横方向への推進力を生み出す。
質量中心から遠くに接地すると抗重力成分が小さくなり滑ってしまいます。

では、どのくらいのシンアングルが適切なのでしょうか?

答えはありません。

少なからず地面に対して30-60度の間に存在し、

など上記の条件により異なります。

足部全体で地面を力強く打つ

ここではあえて「打つ」という表現を用いました。
踏み込むという表現を用いると、どうしても時間的概念が見落とされがちなのでハンマーで打つように足を接地させるといった表現にしました。
その際、足部全体で接地することが重要です。
理由としては

などがあげられます。

 

図3

足関節は背屈させると、より広い距骨前方が脛骨と腓骨の間に入り込み、締まりの肢位となります。
そのため、足関節を背屈させることで、組織の剛性が高まり力の伝達効率が高まります。
逆に、足関節を底屈させると緩みの肢位になり、足関節は不安定になります。
接地する際に、足関節を底屈させ、つま先だけで地面を踏むと足関節が不安定で捻挫をするリスクが高まってしまいます。

足部全体で踏み込むことで傷害のリスクを減らし、出力した力を効率的に地面に伝えます。
地面に力を伝える際、最大の力を最小の時間で伝えることで、償却時間を減らし、RFDを向上させます。
これが「打つ」です。
ここでも繰り返しになりますが、スキルだけではなく、プライオメトリックトレーニングを行いリアクティブストレングスを向上させることも合わせて必要になります。

インサイドフット(ファーストステップ足)

新たな進行方向に対して内側の足をインサイドフットといいます。
インサイドフットの役割は、

の2つです。

初期減速

アウトサイドフットで最終減速を行う前に、インサイドフットで初期減速を行います。
この初期減速が適切に行われないと、アウトサイドフットへの依存度が高くなり負担が増加します。
そのため、アウトサイドフットを接地する前に、インサイドフットで叩くように初期減速を行います。
この際、減速し過ぎないように気をつけましょう。

新しい方向へのガイド

アウトサイドフットで最終減速を行う際、インサイドフットは荷重しない瞬間が生じます。
荷重しない間に新しい方向へインサイドフットのつま先を向け、ガイドします。
インサイドフットの接地が適切でないものとしては

などがあげられます。

図2でも示したように、ファーストステップが新たな方向に向いていない場合、切り返しが膨らみ(rounded agility)移動距離が長くなります。
その結果より多くの時間を要してしまいます。
仮に方向転換を上から見た際、丸まらずにシャープな切り返しになっていることが理想です。

また、ファーストステップがアウトサイドフットに近すぎる場合、不必要なクロスオーバーステップを踏んでしまうことになります。
切り返した後にある1つの方向への移動が決まっている場合、クロスオーバーステップを踏んでも大きな問題は起こらないかもしれません。
しかし、切り返した後に再度、相手やボールに反応する可能性がある場合にクロスオーバーステップを踏んでしまうと、方向転換する際により多くのステップを要することになります。

反対に、ファーストステップがアウトサイドフットから遠すぎる場合、質量中心よりも前に接地することになり適切な加速が行われなくなります。

インサイドフットによるファーストステップは、アウトサイドフットに近すぎても、遠すぎても効果的ではなくなります。

まとめ

パーソナルトレーニングのご相談は
【仙台パーソナルトレーニングジムANCHOR】まで