ANCHORブログ|独立不羈

落書きってしちゃダメなの?

みなさんは小さい頃に落書きをして叱られた経験はないですか?
あまり大きな声では言えませんが、私は道路や家の壁によく落書きをして叱られていました。
道路や壁には落書きをしたことがない方でも学校の授業中、教科書に落書きをした経験はあるのではないですか?
はたしてこの落書き、本当にダメなのでしょうか?

答えは

他人のものにしたらダメ

です。

他人の建造物などに落書きした場合は

建造物等損壊及び同致死傷 (刑法第260条)

他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

他人の物に落書きをした場合は

器物損壊等 (刑法第261条)

前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

ここでの科料は1000円以上1万円未満のようです。(刑法第17条)

軽犯罪法1条33号

みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし、若しくは他人の看板、禁札その他の標示物を取り除き、又はこれらの工作物若しくは標示物を汚した者

そして、
軽犯罪法2条で

前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。

ここでの拘留は、1日以上30日未満 (刑法第16条)、科料は1000円以上1万円未満のようです。(刑法第17条)

つまり、人様の物に落書きをした場合、法律で罰せられる場合があるということです。
さらに、重要文化財などに落書きをした場合は特別法により処罰が強化されるようです。
みなさん旅の思い出になどと落書きをするのは控えたほうが賢明です!

ただし、この落書き一概に悪いものとは言い切れないようです。
2009年にUniversity of PlymouthのJACKIE ANDRADE教授のチームが発表した研究では

What Does Doodling do?

40人の参加者に人と場所の名前を聞かせ、あとでそれを書き出してもらうという実験を行い、参加者の半分には落書きをしながら聞いてもらった。
その結果、落書きをしながら聞いた参加者は、落書きをしなかった参加者よりも平均して29%も多くの名前を思い出すことができた。

としています。
落書きによって記憶力にプラスの効果がでるようです。

それ以外にも
Sunni Brown 氏の著書The Doodle Revolutionでは

などの効果も挙げられています。
子どもの落書きは上記の効果を得るために必要なものかもしれませんね。

こどもらくがきアート

先日えぼしスキー場に行く道すがら、村田インターの近くにあるJAC’s Villageさんに寄ってきました。
このJAC’s Village、株式会社ジェーエーシーさんが運営され、「世の中の消費から排出された資源を再生し、循環させる社会の構築」を目指すという素晴らしい取り組みをされています。

こちらの施設にはショップやカフェ、レストラン、足湯などあるのですが、その一角にワクワク感が止まらない建物を発見しました。

上の画像は「こどもらくがきアート」と呼ばれる施設で、捨てられるはずの物を再利用して作られた秘密基地だそうです。
この基地では子ども達に思う存分らくがきを楽しんでもらうための色とりどりの黒板が用意されています。

みなさんもお近くに行かれた際は寄ってみて下さい。

まとめ

参考文献
Andrade, Jackie (2010) ”What does doodling do?”, Applied Cognitive Psychology, Vol. 23, Issue 1, pp.100-106

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